英 文 名 | : | Midwifery Ⅱ(Practicum) |
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科 目 概 要 | : | 看護学3群科目、4年通年、選択(自由)、実習、10単位 |
担 当 者 | : | (◎は科目責任者) ◎大田 康江※、 香取 洋子※、 西 佳子※、 村井 佐知子※、 長谷 陽恵※、 大塚 千恵※(非常勤) |
実 習 場 所 | : | 村岡産婦人科医院、北里大学病院、山本助産院、母性看護学・助産学実習室 |
そ の 他 | : | 助産師国家試験受験資格取得に必要な科目 科目ナンバリングコード:N304-Mc08 ※は実務経験有 |
助産学の理論と技術を実践の場で統合し、妊娠・分娩・産褥・新生児期にある母子とその家族に応じた助産活動を実践するための基礎的能力を修得する。また、定期的なリフレクションを通して助産実践過程を科学的に熟考するとともに、自己評価能力を高める。
1.妊娠・分娩・産褥・新生児期の各期における健康診査及び助産診断ができるよう助言指導する。
2.助産診断に基づく助産計画を立案し、実施・評価できるよう助言指導する。
3.母子の総合的な診断および経過に応じた基本的分娩介助技術を10例程度実践できるよう助言指導する。
4.正常範囲からの逸脱の可能性を予測するとともに、異常発生時の助産師としての対応が理解できるよう助言指導する。
5.妊婦・褥婦に対する保健指導を計画、実施、評価できるよう助言指導する。
6. ハイリスク妊産婦、新生児の病態生理、危機的状況にある母子のケアの必要性が理解できるよう助言指導する。
7.周産期の対象に関わる専門職との連携及び助産師の役割が説明できるよう助言指導する。
8.継続看護の視点を持ち、地域母子保健との関連が考察できるよう助言指導する。
9.助産管理の実際を知り、法的規定、周産期医療システムにおける助産業務管理の理解、助産師が行う母子保健サービスの企画・運営・評価に必要な基本的能力を修得できるよう助言指導する。
10. 助産師としてのアイデンティティ形成を目指した姿勢・態度を修得できるよう支援する。
【教育方法】
・妊婦に対する助産過程を実践する。
・産婦10例程度を受け持ち、分娩期の助産過程(分娩介助を含む)を実践する。
・分娩期の間接介助、出生直後の新生児のケアを行う。
・褥婦、新生児に対する助産過程を実践する。
・継続事例として、分娩介助、産褥入院中の母子のケア、2週間健診、1か月時の健康診査・保健指導を行う。
・助産所での実習を通して、助産所の管理・運営の実際を学ぶ。
・地域における母子保健活動の実際を学ぶ(産後4か月までの母子含む)。
・正常分娩の特性上、時間外実習はもちろんのこと、場合によっては夜間実習や日曜祭日の実習も含む。
・助産管理学実習では助産所での24時間の宿泊実習を約1週間実施する。
・助産所嘱託医療機関での実習も含む。
【フィードバック方法】
各時期の助産過程の展開については個別指導時または記録の返却を通してコメントする。分娩介助事例では、介助した各事例の振り返りを臨地実習指導者および担当教員との個別面接を行いながらフィードバックをする。さらに、随時カンファレンス等を行い、フィードバックする。
項目 | 内容 | 担当者 | 日時 |
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実習前技術演習 | 実習前技術演習 1.助産学実習に必要な基本的技術を修得する 外陰部消毒、手指消毒、ガウンテクニック、清潔操作、 分娩介助術、出生直後の産婦・新生児への基本的ケア | 村井 佐知子 西 佳子 大田 康江 大塚 千恵 香取 洋子 | |
実習前分娩期OSCE(Objective Structured Clinical Examination) 客観的臨床能力試験 | 実習前分娩期OSCE(Objective Structured Clinical Examination) 1. 分娩進行中における分娩経過の判断と児の娩出だけでなく、産婦への配慮や対応および胎児の健康状態の判断と対応をリアルな環境で体験することにより、臨床における助産実践力について学修し、実習前試験を行う | 大田 康江 村井 佐知子 西 佳子 大塚 千恵 香取 洋子 | 7/23(水)①②③④⑤ |
妊娠期の助産診断・援助 | 1.産科外来において正常な妊娠経過をたどる妊婦を受け持ち、妊婦の助産診断を行い、助産過程を展開する 2.妊婦健康診査における、計測、超音波診断法による胎児・胎児付属物の状態、CTG判読を実施し、母子の健康状態と発育、妊娠週数、胎児付属物の状態を判断する | 大田 康江 村井 佐知子 西 佳子 大塚 千恵 香取 洋子 | |
分娩期の助産診断・援助 異常分娩の理解 | 1.正常な経過をたどる産婦の分娩期の助産診断を行い、分娩進行に伴う産婦と家族のケアを実施し、産婦の分娩介助をする 2.分娩介助は、助産学実習Ⅰと合わせて10例程度を目標とし、異常分娩の介補も行う 3.特に、北里大学病院では硬膜外麻酔下での分娩介助、ハイリスク妊婦の分娩、異常分娩の介補、介入方法を学ぶ 4.出生直後の母子接触、早期授乳への支援を行う 5.産婦の分娩想起と出産体験理解への支援を行う 6.帝王切開術前後の産婦、新生児のケアを実施する 7.異常新生児を出生した産婦、家族のケアを行う | 大田 康江 村井 佐知子 西 佳子 大塚 千恵 香取 洋子 | |
産褥期・新生児期の助産診断・援助 出産・育児期の家族ケア ハイリスク母子のケア | 1.正常な産褥経過をたどる褥婦及び新生児の助産診断、助産過程を展開する 2.家族メンバーの生活環境や生活背景のアセスメントを行う 3.新しい家族システムの成立とその発達課題のアセスメントを行う 4.家族間の人間関係のアセスメントと支援を行う 5.地域社会の資源や機関を活用できる支援を行う 6.母乳育児に関する適切な授乳技術、乳房ケアを実施する 7.母乳育児を行えない、行わない母親への支援について考える 8.母子愛着形成の障害、児の虐待ハイリスク要因の早期発見と支援について考える 9.次回妊娠計画への対応と支援を行う 10.母子分離にある母子に対して両親のアタッチメント形成に向けた支援を考える | 大田 康江 村井 佐知子 西 佳子 大塚 千恵 香取 洋子 | |
産後1か月健康診査までの助産診断・援助 | 1.継続事例母子の2週間健診および1か月健康診査を通じて、退院後の母子の状態診断を行い、必要な援助を展開する 2.地域社会の資源や機関を活用できる支援を行う | 大田 康江 村井 佐知子 西 佳子 大塚 千恵 香取 洋子 | |
助産所における助産管理の実際 | 1.助産所における助産業務に参加し、助産所の管理、母子保健サービスについて考える | 大田 康江 村井 佐知子 | |
医療施設における助産管理の実際 | 1.周産期医療システムの運用と地域連携を考える 2.産科病棟・産科外来における助産業務を実践する 3.妊産褥婦の保健相談、母乳育児相談を実践する 4.他の医療専門職との協同・連携について考える 5.助産師外来を見学し、助産業務について考える 6.小児科外来における健康診査・保健教育に参加し、母子保健サービスの成果責任について考える 7.災害時の母子への支援について考える 8.助産師の法的規定を助産業務管理の実際から考察する | 大田 康江 村井 佐知子 | |
母子保健サービスの企画、運営、評価 | 1.母子保健サービスの企画・実践・評価を行い助産管理評価について考える | 大田 康江 村井 佐知子 | |
地域母子保健におけるケア | 1.保健・医療・福祉関係者との連携を理解する 2.地域の特性と母子保健事業を理解する 家庭訪問による健康診査・保健相談を実践し、地域母子保健サービスをアセスメントする 3.地域における女性の健康支援の活動に参加する 4.ピアカウンセリングや集団健康教育指導を実施する 5.消費者グル―プのネットワークへの参加とグループ支援を考察する | 大田 康江 村井 佐知子 |
1.妊娠・分娩・産褥・新生児期の各期における健康診査及び助産診断ができる。
2.助産診断に基づく助産計画を立案し、実施・評価できる。
3.母子の総合的な診断および経過に応じた基本的分娩介助技術を10例程度実践できる。
4.正常範囲からの逸脱の可能性を予測するとともに、異常発生時の助産師としての対応が理解できる。
5.妊婦・褥婦に対する保健指導を計画、実施、評価できる。
6.ハイリスク妊産婦、新生児の病態生理、危機的状況にある母子のケアの必要性が理解できる。
7.周産期の対象に関わる専門職との連携及び助産師の役割が説明できる。
8.継続看護の視点を持ち、地域母子保健との関連が考察できる。
9.保健師助産師看護師法に基づく助産師の業務管理が理解できる。
10.助産所開設、診療所、病院における助産業務管理から周産期医療システムが理解できる。
11.助産所の地域における役割と将来展望について考察できる。
12.医療施設における助産管理について考察できる。
13.産科病棟、産科外来における助産業務と保健医療チームにおける協同・連携について検討できる。
14.地域保健サービス(保健・医療・福祉関係者との連携)、地域特性と母子保健事業のアセスメントについて検討できる。
15.消費者グループのネットワークへの参加とグループ支援が理解できる。
16.災害時の母子の支援方法が理解できる。
17.助産師としてのアイデンティティを形成できる。
【評価の種別および割合】分娩介助及び分娩介補技術、分娩事例・継続事例の助産過程の展開と記録物
実習内容・実践(50%)、助産過程記録(50%)により総合的に評価する。
【評価基準】
・妊娠・分娩・産褥・新生児の各期における助産過程が実践できる。
・母子の状況に応じた基本的分娩介助技術が実践できる。
・周産期における母子を身体心理社会的側面から理解し、継続的に支援することができる。
・異常発生時およびハイリスク新生児のケアにおいて母子とその家族への助産師の対応が説明できる。
・助産所の管理・運営について理解できる。
・地域における母子保健活動について理解できる。
1 | 予習(1時間/日): ・妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期の助産過程展開方法、妊婦・褥婦・新生児の健康診査の技術を復習し実習に臨む。 ・実習前学内演習を通して基本的な分娩介助技術を修得し、実習に臨む。 ・ハイリスク妊産褥婦・ハイリスク新生児の病態、看護を復習し実習に臨む。 |
2 | 復習(3時間/日): ・見学・実践したことについて実習記録に整理し、文献を通してアセスメント、考察を深める。 ・分娩介助では、介助した各事例の振り返りを記録するとともに、臨地実習指導者および担当教員との個別面接を行う。さらに、随時カンファレンス等を行うことによって、自己課題を明確にする。 ・各時期の助産過程を丁寧に評価しながら次の課題に進む。 ・実習の学びを学生間で共有し理解を深める。 |
3 | 〔実務経験のある教員〕 大田 康江 、 香取 洋子 、村井 佐知子 、西 佳子、長谷 陽恵:助産師の臨床経験を活用した、妊産褥婦、新生児の看護・助産実践等についての実習指導。 |
4 | 〔卒業・学位授与の方針と当該授業科目の関連〕 〇(1) 人間の尊厳・権利への深い理解と高い倫理観に基づく行動力 〇(2) 豊かな人間性と幅広い教養を基盤として、自己理解と対象との相互理解に基づく援助的人間関係を築く力 ◎(3) 看護学とその関連分野の知識を基盤として、多様な対象に科学的根拠に基づく看護を提供できる実践力 〇(4) 多様な保健医療福祉の場において、多職種との連携の中で看護専門職としての機能を発揮できる能力 〇(5) 必要な情報や研究成果を看護実践に活用し、課題解決に導くための基礎的能力 〇(6) 変化する社会や医療の動向を踏まえ、生涯にわたって研鑽し続けられる姿勢 ◎は特に関連するもの、○は関連するもの |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 初講時に指示する | ||
参考書 | 『臨床助産師必携』第2版 | 医学書院 | |
参考書 | 『地域母子保健・国際母子保健』 | 医学書院 | |
参考書 | 『助産管理』 | 医学書院 |