英 文 名 | : | Life-span Developmental Nursing:Pediatric Nursing (Practicum) |
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科 目 概 要 | : | 看護学3群科目、3年後期、必修科目、実習、2単位 |
担 当 者 | : | (◎は科目責任者) ◎岡 澄子※、 落合 賀津子※、 小柴 梨恵※、 辻 朋子※、 古屋 悦世※ |
実 習 場 所 | : | 北里大学病院、保育園、認定こども園、児童発達⽀援センター、放課後デイサービス、特別支援学校、他、小児看護学実習室 |
そ の 他 | : | 教職課程必修科目: 養護に関する科目[養教一種免] 施行規則に定める科目区分:看護学(臨床実習及び救急処置を含む) 科目ナンバリングコード:N304-Cn04 ※は実務経験有 |
小児看護の実践に必要な基礎的能力を修得し、対象となる子どもと家族の特性について理解を深めるためにあらゆる健康レベルにある子どもと家族への看護の実際を学ぶ。
1. 子どもとは、その身体、情緒・心理、家族、社会、環境の影響を受けながら、成長・発達していく存在であることを理解する。
2. 健康問題をもつ子どもに対する共感性を養い、子どもを身体、情緒・心理、家族、社会、環境との相互作用的側面から成長・発達を基盤として総合的に理解する。
3. 健康問題をもつ子どもとその家族の最良の健康状態に向けて、必要な支援を理解する。
4. 成長発達段階をふまえて、その子どものもつ力を引き出しながら適切な看護を考え、実践する能力を修得する。
子どもを身体、情緒・心理、社会的側面から総合的に理解し、発達段階に応じた適切な看護を考え、実践できるよう指導・助言する。
子どもと家族の最良の健康状態に向けて、必要な支援を考え、実践できるよう指導・助言する。
<病棟実習>健康問題をもつ子どもを原則として1名受け持ち、必要な看護を考える。
<外来・施設実習>各実習施設において子どもと家族の様子を観察し、成長発達やそれぞれに必要なかかわりを体験的に学ぶ。
提出された実習記録に対しては個別に面談しフィードバックを行う他、実習で生じた課題や学びについてカンファレンスにおいて意見交換を実施し共有を図るとともに、その学びについて口答にてコメントしフィードバックする。
項目 | 内容 |
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〈病棟実習〉 健康問題をもつ子どもの日常生活・成長発達の援助 | ・受け持ち児の個別性を理解する。 ・健康問題をもつ子どもにとって望ましい生活環境を理解する。 ・疾患・治療状況、成長発達、子どもの気持ちと安全・安楽を考慮した日常生活への援助方法を修得する。 |
疾患・治療段階に応じた看護の理解 | ・疾患の症状、診断・検査方法、治療および治療の評価指針を理解する。 ・疾患や治療に必要な看護と観察ポイントを理解する。 ・疾患や治療が、健康問題をもつ子どもに及ぼす影響について理解する。 ・疾患や発達段階に応じ、優先順位を考慮した看護目標を明確に述べ、具体的な援助方法を示した援助計画を立案する。 ・援助計画に基づき、健康問題をもつ子どもに、安全で確実な看護を実践する。 ・健康問題をもつ子どもの反応を的確に捉え、それに基づき実践した援助が適切であるか評価する。 |
健康問題を持つ子どもとのコミュニケーション技術の習得 | ・子どもの言動を通し、入院環境および疾患・治療が及ぼしている影響を理解する。 ・子どもの言動に表現された感情、意思、ニーズ、認識の特徴と個別性を理解する。 ・子どもの反応を的確に捉え、適切な言語的・非言語的コミュニケーションを行う。 ・子どもの権利およびプライバシーを考慮したコミュニケーションおよび行動をとる。 |
健康問題をもつ子どもの家族への援助 | ・家族が、子どもの健康問題をどのように受けとめているかを理解する。 ・子どもの健康問題が、家族の生活に及ぼす影響について理解する。 ・家族の生活環境を整えるために、必要な看護援助について考える。 |
入院環境における感染予防、安全、事故防止の援助 | ・子どもの日常生活、成長発達、生活(入院)環境から起こり得る事故を予測し、安全な生活環境を整える。 ・疾患や治療状況から起こり得る事故を予測し、安全な治療・療養環境を整える。 ・感染予防のための適切な環境を整える。 ・子どもの発達段階に適した感染予防について考え実施する。 |
健康問題をもつ子どもと家族に関わる専門職としての態度、社会性の修得 | ・健康問題をもつ子どもと家族に対し、責任感をもって適切に行動する。 ・期日までに、必要な内容を正確に実習記録用紙に記録する。 |
健康問題をもつ子どもと家族に対するチーム看護の実践 | ・カンファレンスにおいて、子どもの情報や実践した看護について、自分の考えを積極的・建設的に伝える。 ・カンファレンスにおいて、他者の発言に対して積極的・建設的に意見を述べる。 ・医療チームの一員として、子どもの看護についての自分の行動、考え、疑問を表現する。 |
〈外来・施設実習:共通〉 ・地域で生活している子どもの成長発達と養育に必要な日常生活援助の理解 | ・各実習施設において子どもと家族の様子を観察し、成長発達やそれぞれに必要なかかわりを理解する。 ・各実習施設の特徴および機能、役割を理解する。 |
〈外来・施設実習:保育園・認定こども園〉 ・地域で生活している健康な子どもの成長発達と養育に必要な日常生活援助の理解 ・保育者に必要な態度の理解 ・子どもの健康・成長発達を維持増進するかかわりの理解 | ・クラス内や合同保育の場で、子どもの様子や保育者と子どものかかわりなどを観察し、子どもを多面的に捉え、その特徴を理解する。 ・保育者とともに行動し、子どもの養育に必要な態度・技術および健康的な生活習慣について体験的に学ぶ。 ・1日の生活を通じて子どもの健康・成長発達を維持増進するかかわりについて体験的に学ぶ。 |
<外来・施設実習:小児科外来> ・小児科外来の機能および看護の特徴と外来における看護師の役割の理解 | ・小児科外来に通院している子どもと家族の様子を観察し、その思いや特徴を理解する。 ・小児科外来の診察室、処置室等において診療を受ける子どもと家族への看護師・医師のかかわりを見学し、外来の機能および看護師の役割を理解する。 |
<外来・施設実習:特別支援学校・児童発達支援センター・放課後デイサービス> ・障がいとともに地域で生活している子どもと家族の理解 | ・教育や療育を受ける子どもの様子や教職員等とのかかわりを観察し、子どもを多面的に捉え、その特徴を理解する。 ・子どもの教育・療育に必要な態度・技術について体験的に学ぶ。 |
外来・施設実習まとめ・発表 | 下記の事前学習内容と実習体験を発表し、様々な施設における学びを共有し、地域で生活する子どもと家族への小児看護の支援について考察する。 1) 施設の機能と特徴 2) 子どもや家族の特徴 3) 看護職の役割 |
〈病棟実習〉
1)健康問題をもつ子どもと家族について、共感的・知識的・体験的理解を基に以下の事柄について説明することができる。
a.発達段階に応じた適切な日常生活の援助
b.疾患・治療の段階に応じた適切な日常生活の援助
c.言語的、非言語的コミュニケーション
d.家族への看護
e.感染予防、安全の確保・事故防止
〈外来・施設実習:共通〉
2)地域で生活している子どもの成長発達と養育に必要な日常生活援助について、共感的・知識的・体験的理解を基に以下の事柄について説明することができる。
a. 共感的、発達的および環境との相互作用の視点に基づいた子どもの体験
b. 成長発達の途上にあり、個性あるひとりの人格主体である子どもの存在
c. 子どもの健康・成長発達を維持増進するかかわり
(保育園・認定こども園)
d. 子どもの発達と発達段階に応じた子どもの体験している世界と健康を維持増進するかかわり
e. 子どもの養育に必要な態度・技術、健康的な生活習慣
(外来)
f. 小児科外来の機能および看護の特徴
g. 外来通院している子どもと家族の思い
h. 外来における看護師の役割
(特別支援学校・児童発達支援センター)
i. 障がいのある子どもの特徴と支援の実際
j. 学校や発達支援センター等の各施設の種類・役割・機能
k. 看護職の役割
3)健康問題をもつ子どもと家族へのケアを提供する看護専門職としてふさわしい社会性と、専門職として必要な態度を説明できる。
【評価の種別および割合】
1.病棟実習:実習記録および看護実践への取り組み姿勢、カンファレンスの参加度(80%)
2.事前学習・外来・施設実習:実習記録、まとめの発表内容および取り組み姿勢(20%)により評価する。
【評価基準】
対象の子どもと家族の看護過程の展開(意図的な情報収集・情報の分析・看護計画の立案・援助の実施・実施した看護の評価)ができること、実習を通して小児看護の特性や役割について考察できること、看護学生として報告や相談、記録、自己理解と課題の確認、実習やカンファレンスにおいて主体的な態度が取れること。社会人としてマナーが守れること。
1 | 予習として、実習前には、教科書や講義資料(生涯発達看護学、小児生涯発達看護学等)、演習内容を確認・復習の上、実習に臨む(60分)。 |
2 | 予習として、外来・施設実習前には、各施設に通っている子どもと家族の特徴、各施設の役割・機能について事前学習を行った上で実習に臨む(90分)。 |
3 | 復習として、実習終了後には、実習記録などの内容を整理し、学びの振り返りをした上で、学修成果と自己の課題を確認する(120分)。 |
4 | 〔実務経験のある教員〕 岡澄子、小柴梨恵、古屋悦世、辻朋子、落合賀津子:看護師の臨床経験を活用した、子ども・家族の総合的理解およびそれに基づいた看護実践を指導する。 |
5 | 〔卒業・学位授与の方針と当該授業科目の関連〕 ◎(1) 人間の尊厳・権利への深い理解と高い倫理観に基づく行動力 ◎(2) 豊かな人間性と幅広い教養を基盤として、自己理解と対象との相互理解に基づく援助的人間関係を築く力 ◎(3) 看護学とその関連分野の知識を基盤として、多様な対象に科学的根拠に基づく看護を提供できる実践力 ◎(4) 多様な保健医療福祉の場において、多職種との連携の中で看護専門職としての機能を発揮できる能力 〇(5) 必要な情報や研究成果を看護実践に活用し、課題解決に導くための基礎的能力 〇(6) 変化する社会や医療の動向を踏まえ、生涯にわたって研鑽し続けられる姿勢 ◎は特に関連するもの、○は関連するもの |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『系統看護学講座 専門分野Ⅱ 小児看護学① 小児看護学概論/小児臨床看護総論』 | 奈良間美保 編 | 医学書院 |
教科書 | 『系統看護学講座 専門分野Ⅱ 小児看護学② 小児看護学各論』 | 奈良間美保 編 | 医学書院 |
参考書 | 『0~6歳子どもの発達と保育の本』 | 河原紀子 監修 | 学研プラス |
参考書 | 『改訂2版医療従事者と家族のための小児在宅医療支援マニュアル』 | 船戸正久、高田哲 編著 | メディカ出版 |
参考書 | 『写真でわかる重症心身障害児(者)のケア アドバンス』 | 鈴木康之、舟橋満寿子 監修 | インターメディカ |
参考書 | その他、必要に応じて紹介する。 |