英 文 名 | : | Healthcare Informatics |
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科 目 概 要 | : | 看護学2群科目、2年前期 [水曜日2時限]、必修科目、講義・演習、1単位 |
担 当 者 | : | (◎は科目責任者) 眞茅 みゆき※、 ◎伊藤 慎也※、 岡田 明子※ |
講 義 室 | : | 対面授業、N号館 講義室1、L2-304、L2-305、L2-306、L2-309、L2-310 |
そ の 他 | : | 教職課程必修科目: 養護に関する科目[養教一種免] 施行規則に定める科目区分:衛生学・公衆衛生学(予防医学を含む。) 科目ナンバリングコード:N201-Sb06 ※は実務経験有 |
・保健師活動を展開する基礎的能力を獲得するために、根拠に基づいた地域の特性と健康課題をアセスメントするプロセスとして、その前提となる健康指標の特徴を理解する。本科目では、公衆衛生活動の場で活用されているデータを用い、保健統計情報の手段的処理能力および情報管理の基本を修得する。
・医療・看護分野における健康評価のための統計の基本を理解することで、保健師として活動する際にデータを統計学的に処理・理解できるための基本能力を修得する。
・疫学および統計学の概要について講義を行う。
・疫学については、歴史、疫学で用いられる指標、研究方法、個人情報保護など、疫学の入門に該当する幅広い内容を説明する。また、Excelを用いた、国の健康情報に関するデータを入手・編集・加工の方法について説明をする。
・統計学については、記述統計学(代表値・分散・図表など)および推測統計(χ2検定・t検定・分散分析・相関係数など)の基本について説明する。
・健康情報としての保健医療福祉データを活用するための基本的能力を養うために、グループ別に健康情報に関連したテーマを割り当てグループディスカッションを行う。
・前半の講義では、スライドで様々な図表を提示して、グラフの解釈や課題などを考える練習を行う。
・中盤の講義では、パソコンを用いて国が公表しているエクセルデータの入手、健康指標の計算、図表作成方法について説明をしながら操作する。
・後半の講義では、これまでの講義で実施した内容の復習として、グループワークとグループ発表を実施する。
・各講義の最後に、10分程度で回答可能な問題を提示する。課題回答後には模範解答を提示する(必要時は解説を含める)。課題が難しい場合は、次回の講義の冒頭で解説を行なう。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 | 講義室 |
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1 | 疫学の概念、疫学の歴史 | 疫学の概念、歴史、倫理、疫学で用いられる基本的用語を理解する。 | 伊藤 慎也 | 4/2(水)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
2 | 健康事象の観察、疾病の原因、因果関係 | 健康事象や疾病とは何かを理解し、観察方法を学修する。 疾病発症や健康に関連する原因、曝露と疾病の関係、疾病の自然史、診断基準について理解する。 | 伊藤 慎也 | 4/2(水)③ | 対面授業・N号館 講義室1 |
3 | 疫学で用いられる指標 | 頻度(比、割合、率)の違いを理解する。罹患率、有病率、致命率など、疫学で用いられる指標の意味を理解する。 | 伊藤 慎也 | 4/9(水)② | 対面授業・L2-310 |
4 | 疫学研究方法の種類 | 疫学研究の種類(研究デザイン)とその特徴を理解する。 | 伊藤 慎也 | 4/16(水)② | 対面授業・L2-310 |
5 | 地域の健康水準を表す指標と動向 | 地域の健康水準を表す指標の種類と特徴を理解する(平均寿命・健康寿命・合計特殊出生率・年齢調整死亡率など)。 | 伊藤 慎也 | 4/23(水)② | 対面授業・L2-310 |
6 | 医療における個人情報保護と情報処理の基礎 | 臨床現場における個人情報保護、情報管理と情報処理の基本を理解する。 | 伊藤 慎也 | 5/7(水)② | 対面授業・L2-310 |
7 | 健康情報に関するデータの活用方法の基本 | 健康情報に関するデータを処理する基本的手法を修得する。 | 伊藤 慎也 | 5/14(水)② | 対面授業・L2-310 |
8 | 統計の基本的知識:代表値と散布図、主な確率分布 | 記述統計の基礎を理解する(平均、標準偏差、中央値、ヒストグラム、正規分布、二項分布など)。 | 伊藤 慎也 | 5/21(水)② | 対面授業・L2-310 |
9 | 統計の基本的知識:データの種類と推測統計 | データの種類(名義・順序・数量)と推測統計の基礎を理解する(帰無仮説、χ2検定、t検定、相関係数、分散分析)。 | 伊藤 慎也 | 5/28(水)② | 対面授業・L2-310 |
10 | 適切な図表の選択と作成と活用 | 保健統計データ等を用いて、適切な図表の選択、作成、活用を行う。 | 伊藤 慎也 | 6/4(水)② | 対面授業・L2-310 |
11 | 保健統計の解釈とまとめ | 保健統計データ等を用いて、データの整理、記述統計、推測統計、図表の作成を行う。 | 伊藤 慎也 | 6/11(水)② | 対面授業・L2-310 |
12 | グループワーク (1) データ入手、図表作成、図表の解釈 | グループワークの概要および進め方についてガイダンスを行なう。その後、健康情報に関連したテーマを設定して、データの入手および図表の作成を行なう。 | 伊藤 慎也 岡田 明子 | 6/18(水)② | 対面授業・L2-305・L2-306・L2-310 |
13 | グループワーク (2) 文献検索と文献整理 | テーマに関する文献を入手して、精読する。 | 伊藤 慎也 岡田 明子 | 6/25(水)② | 対面授業・L2-305・L2-306・L2-310 |
14 | グループワーク (3) スライド作成と発表準備 | グループワーク(1)(2)で作成したグラフを用いてスライド作成と発表準備をする。 | 伊藤 慎也 岡田 明子 | 7/2(水)② | 対面授業・L2-305・L2-306・L2-310 |
15 | グループ発表および評価 | 各グループの発表、質疑応答、評価 | 伊藤 慎也 岡田 明子 眞茅 みゆき | 7/11(金)② | 対面授業・L2-309・N号館 講義室1 |
1.疫学による健康情報について知り、これらの健康情報が公衆衛生活動にどのように活用されているか説明できる。
2.集団や地域の健康状態を把握するための健康水準を表す指標について学び、各指標が示す数値の意味を理解できる。
3.基礎的な統計分析の手法について学び、国や地域のデータを解釈できる。
4.健康情報としての保健医療福祉データについて学び、これらのデータがどのように保健医療活動に活用されているのかを説明できる。
・グループワークの最終プレゼンテーション(20%)、定期試験(80%)
・グループワークの評価基準:①用いた数値・データの適切性、②作成した図の適切性、③テーマに基づいた考察、④引用の適切性、⑤発表全体の完成度の5つを評価する。
・グループワークのフィードバック方法:最終プレゼンテーション終了後に、各担当教員がプレゼンテーションに対する感想やコメントを公表する。
1 | 予習:各講義の最後に次週の学修内容の概要を伝えるので、事前に教科書や参考書等に目を通して概要を把握し、理解出来ないところを抽出しておく。(時間:10分程度) |
2 | 復習:配布された資料の内容や授業中のメモを教科書や参考書等と照合して理解を深める。(時間:10分程度) |
3 | 復習:講義中に実施する小問題等を復習する。(時間:10分程度) |
4 | 〔実務経験のある教員〕 1. 伊藤慎也:看護・医学・教育学部での疫学や統計学の講義経験、地域の保健師との統計学や疫学勉強会の経験を活用した、医療・看護分野に特化した事例を用いた講義、演習。 2. 眞茅みゆき、岡田明子:看護師等の臨床経験、実務経験を活用した、医療・看護分野における健康評価のための統計についての講義・演習。 |
5 | 〔卒業・学位授与の方針と当該授業科目の関連〕 〇(1) 人間の尊厳・権利への深い理解と高い倫理観に基づく行動力 (2) 豊かな人間性と幅広い教養を基盤として、自己理解と対象との相互理解に基づく援助的人間関係を築く力 ◎(3) 看護学とその関連分野の知識を基盤として、多様な対象に科学的根拠に基づく看護を提供できる実践力 (4) 多様な保健医療福祉の場において、多職種との連携の中で看護専門職としての機能を発揮できる能力 ◎(5) 必要な情報や研究成果を看護実践に活用し、課題解決に導くための基礎的能力 〇(6) 変化する社会や医療の動向を踏まえ、生涯にわたって研鑽し続けられる姿勢 ◎は特に関連するもの、○は関連するもの |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 疫学・保健統計学 第3版 (標準保健師講座)※2025年春改訂予定 | 牧本 清子 (著) | 医学書院 |
参考書 | 国民衛生の動向(最新版) | 厚生労働統計協会 (編集) | 一般財団法人 厚生労働統計協会 |
参考書 | 公衆衛生がみえる 最新版 | 医療情報科学研究所 (編集) | メディックメディア |
参考書 | はじめて学ぶやさしい疫学(改訂第4版): 日本疫学会標準テキスト | 日本疫学会 (監修) | 南江堂 |