英 文 名 | : | Mental Health |
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科 目 概 要 | : | 看護学3群科目、2年後期 [金曜日2時限]、必修科目、講義、2単位 |
担 当 者 | : | (◎は科目責任者) 柴田 真紀※、 ◎松尾 真規子※、 海老澤 睦※、 大山 一志※ |
講 義 室 | : | 対面授業、N号館 講義室1、N号館 講義室2 |
そ の 他 | : | 教職課程必修科目: 養護に関する科目[養教一種免] 施行規則に定める科目区分:精神保健 科目ナンバリングコード:N301-Pn02 ※は実務経験有 |
精神看護の基本となる人間理解を目的として、人格の発達過程および心理・行動への影響について学び、精神疾患や障がいがあるか否かにかかわらずこころの健康とは何かについて考える。また家族や集団における人間関係や現代社会の特徴とメンタルヘルスとの関連を理解し、社会生活を営むうえで精神的健康や障がいが人間の生活に与える影響を理解するとともに、倫理観や人権意識を修得する。
ライフサイクルや家族・集団の中で人のこころはどのように育まれ発達するのかを講義する。
疾患や障がいの有無にかかわらず、メンタルヘルスに影響を与える事柄について講義する。
我が国の精神保健福祉の歴史と法制度、および人権や倫理観について講義する。
教科書および配布資料とパワーポイントや視聴覚メディア(DVD等)を活用しながら講義形式で進める。講義毎に小テストの実施やリアクションペーパー、レポートによる課題を提示・記述し回収する。次回の講義で、模範解答や課題の中の特徴的な見解や誤解についてコメントする。次回講義の中でフィードバックが不可能な場合は、コメントをまとめた資料を作成し学生への配布を行うか、教育支援システム(Google Classroom)に掲出する。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 | 講義室 |
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1 | 健康と障がいの概念と考え方 | 健康と障がいの基本的な考え方、および精神保健福祉の現状とユニバーサルデザインの基本的な考え方について学ぶ。 | 松尾 真規子 | 9/5(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
2 | 情緒体験のプロセスと人格の形成 | 情緒体験のプロセスと、愛着の対象との関係性や発展が人格の形成に与える影響について学ぶ。 | 松尾 真規子 | 9/12(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
3 | 人間の精神活動/こころの防衛機制 | こころの機能と構造、防衛機制、精神・心理状態のアセスメントについて学ぶ。 | 海老澤 睦 | 9/19(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
4 | ライフサイクルとメンタルヘルス | 人生における各種発達段階の課題と危機状況を理解し、それらの体験がひとのこころの健康、成長と変化に及ぼす影響を考える。 | 大山 一志 | 9/26(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
5 | 自己理解と自己活用(エゴグラム) | 対人関係における自己理解について学ぶ。エゴグラムの演習を通し、交流分析の目的、基本的自我構造の分析について学ぶ。医療における対人関係について考える。 | 松尾 真規子 | 10/3(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
6 | 集団の機能と役割 | 集団の排斥と包含の機能についての理解を通して、集団で起こる様々な相互作用とその意味を学ぶ。 | 海老澤 睦 | 10/10(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
7 | ストレスの考え方 | ストレスのとらえ方を理解し、ストレスが人の心と行動に及ぼす影響について学ぶ。 | 海老澤 睦 | 10/17(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
8 | 現代社会とメンタルヘルス1 個人・家族への影響 | 家族が個人の成長とメンタルヘルスに与える影響について学習するとともに、現代社会と個人および家族のメンタルヘルスの関連について学ぶ。 | 松尾 真規子 | 10/24(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
9 | 現代社会とメンタルヘルス2 職場や学校におけるメンタルヘルス | 現代社会が職場や学校における人々のメンタルヘルスに及ぼす影響について理解し、職場・学校での精神障がいに関する予防の方法を学ぶ。 | 松尾 真規子 | 10/30(木)③ | 対面授業・N号館 講義室2 |
10 | 精神保健医療福祉と看護の歴史 | 欧米の精神医療の歴史を概観すると同時に、日本の精神医療と看護の変遷を学び、社会学の視点から精神障がいを考える。 | 大山 一志 | 12/5(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
11 | 精神保健医療福祉と法制度 | 精神保健医療福祉に関する法律や制度を理解し、我が国における精神保健医療福祉施策の動向及び今後の課題を学ぶ。 | 柴田 真紀 | 12/12(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
12 | 精神看護における人権擁護 | 精神医療で起こり得る強制的医療行為が患者に及ぼす影響を考え、精神科独自の治療環境と人権擁護のあり方について学ぶ。 | 海老澤 睦 | 12/19(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
13 | 看護師のメンタルヘルス | ケアの場で生じる、看護職者の感情体験、患者との相互交流などの意味について理解し、必要なメンタルヘルス支援について学ぶ。 | 大山 一志 | 1/16(金)② | 対面授業・N号館 講義室1 |
14・15 | 精神障がいと共に生きる人の生活 | 実話に基づく映画を視聴し、当事者や家族が精神障がいと共に生きる生活を追体験する。また、グループディスカッションを通して精神障がい者がおかれている社会的立場や社会生活上で困難となることについて考える。 | 柴田 真紀 | 1/23(金)③④ | 対面授業・N号館 講義室1 |
1.こころの健康とは何かを理解し、こころの健康に影響を及ぼす要因について説明できる。
2.精神障がいの予防について、その考え方と具体的な方法を説明できる。
3.自己理解の必要性と対人関係における自己の傾向を述べることができる。
4.精神医療の歴史と課題、法制度と人権擁護について説明できる。
5.精神障がいと共に生きる人の生活が置かれている社会的立場について説明できる。
筆記試験(80%)、レポート、小テスト(20%)
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:8時間】 予習:教科書を用いて各授業内容に該当する箇所を読んでおく。 新聞やインターネットを活用し、各回の授業内容に関連するトピックスの概要を把握しておく。 後述の参考書を読んでおく。 |
2 | 復習:授業で配布した資料やノートを参照しながら関連書籍を読み、授業内容の理解を深める。 |
3 | 〔実務経験のある教員〕 柴田 真紀、松尾真規子、海老澤 睦、大山 一志:看護師の臨床経験に基づき、精神看護の基礎となる精神の健康と障がい観についての講義。 |
4 | 〔卒業・学位授与の方針と当該授業科目の関連〕 ◎(1) 人間の尊厳・権利への深い理解と高い倫理観に基づく行動力 ◎(2) 豊かな人間性と幅広い教養を基盤として、自己理解と対象との相互理解に基づく援助的人間関係を築く力 〇(3) 看護学とその関連分野の知識を基盤として、多様な対象に科学的根拠に基づく看護を提供できる実践力 〇(4) 多様な保健医療福祉の場において、多職種との連携の中で看護専門職としての機能を発揮できる能力 (5) 必要な情報や研究成果を看護実践に活用し、課題解決に導くための基礎的能力 〇(6) 変化する社会や医療の動向を踏まえ、生涯にわたって研鑽し続けられる姿勢 ◎は特に関連するもの、○は関連するもの |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『系統看護学講座 専門分野 精神看護学1 精神看護の基礎』 第6版 | 武井麻子(筆者代表) | 医学書院 2021 |
参考書 | 『ナーシンググラフィカ精神看護学(1):情緒発達と精神看護の基本』第5版 | 出口禎子編 | メディカ出版 2022 |
参考書 | 『健康な人格 人間の可能性と7つのモデル』 | シュルツ 著 | 川島書店 1982 |
参考書 | 『交流分析 講座サイコセラピー第8巻』 | 杉田峰康著 | 日本文化科学社 1985 |
参考書 | 『ライフサイクル、その完結』 | E.H.エリクソン 著 | みすず書房 2001 |