英 文 名 | : | Gerontological Nursing (Seminar II) |
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科 目 概 要 | : | 修士 看護学研究コース前期、選択科目、演習、2単位 修士 高度実践看護学コース前期、必修科目、演習、2単位 |
担 当 者 | : | (◎は科目責任者) ◎綿貫 恵美子※、 杉本 知子※、 シェザード樽塚 まち子※、 塚本 尚子(非常勤) |
講 義 室 | : | 老年看護学研究室、対面授業 |
そ の 他 | : | 老年看護学分野 |
慢性疾患や機能障害を抱えた高齢患者に対して専門的知識に基づく高度な看護援助を計画・実践するために、慢性期にある高齢者に適用可能な健康行動理論と理論を活用した介入方法について、講義、国内外の文献抄読と討議、臨床でのフィールドワークを通して修得する。
・慢性疾患や機能障害により新たな生活の構築・適応を必要とする高齢者の特徴について概観する。
・慢性疾患の自己管理への支援において重要と思われる健康行動理論・関連概念について概観する。
・慢性期にある高齢者への適用が可能と思われる社会的学習理論、変化ステージモデル、エンパワーメントアプローチを取り上げ、その基礎と文献抄読から、疾患により生じた高齢患者の身体・心理・社会的変化や加齢に伴う認知機能低下・患者心理を踏まえた療養管理行動への高度な看護介入について説明する。
・慢性疾患で入院中の高齢患者1例を対象としたフィールドワークを通して、高齢患者への健康行動理論の適用の実際、適用に伴う利点・問題点について説明する。
・パワーポイントと配付資料を用いての講義、および項目毎の抄読文献とその課題に関する発表・討議により行う。
・発表・資料の内容については、授業内でその妥当性・深度・課題等についてフィードバックする。
・すべての講義終了後、大学病院内科病棟でのフィールドワークにて、学習した理論に基づく対象理解・看護介入立案について実践する。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 | 講義室 |
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1~2 | 健康行動理論と高齢慢性患者への適用 | 以下の内容について理解する。 ・慢性期看護で用いられる主な健康行動理論 ・健康行動の遂行・疾患の自己管理に関連する概念 ・健康行動理論の高齢患者への適用の現状 | 綿貫 恵美子 | 4/11(金)①② | 老年看護学研究室・対面授業 |
3~4 | 機能障害が生じた高齢者の生活変化と適応 | 以下の内容について理解する。 ・疾患により機能障害が生じた高齢者の身体・心理・社会的変化および生活の特徴 ・新たな生活の構築・適応に向けた高齢者のリハビリテーション看護 | シェザード樽塚 まち子 | 4/11(金)③④ | 老年看護学研究室・対面授業 |
5~6 | 社会的学習理論(自己効力)と、高齢患者への適用 | 以下の内容について理解する。 ・社会的学習理論(自己効力)とその関連要因 ・高齢者・高齢患者における自己効力の考え方 ・高齢者の自己効力感向上に向けた介入方法 | 塚本 尚子 | 4/18(金)②③ | 老年看護学研究室・対面授業 |
7 | 文献からみた社会的学習理論(自己効力)の老年看護への活用の実際 | ・高齢患者の自己効力感を扱った文献の抄読を通して、自己効力感を活用した慢性疾患・機能障害を有する高齢患者への看護援助の実際について理解する。 ・高齢患者の疾患・障害により生じた身体・心理・社会的変化や、加齢に伴う認知機能低下・患者心理を踏まえた療養管理行動への高度な看護実践において、社会的学習理論(自己効力)を活用する上での利点・問題点について討議し、理解を深める。 | 塚本 尚子 | 4/18(金)④ | 老年看護学研究室・対面授業 |
8~9 | 変化(変容)ステージモデルと、高齢患者への適用 | 以下の内容について理解する。 ・変化ステージモデル(セオリティカルモデル)とその関連要因 ・高齢慢性患者のセルフマネジメントにおける介入方法 | 綿貫 恵美子 | 4/25(金)①② | 老年看護学研究室・対面授業 |
10 | 文献からみた変化(変容)ステージモデルの老年看護への活用の実際 | ・高齢患者の変化(変容)ステージモデルを扱った文献の抄読を通して、変化(変容)ステージモデルを活用した慢性疾患・機能障害を有する高齢患者への看護の実際について理解する。 ・高齢患者の疾患・障害により生じた身体・心理・社会的変化や、加齢に伴う認知機能低下・患者心理を踏まえた療養管理行動への高度な看護実践において、変化(変容)ステージモデルを活用する上での利点・問題点について討議し、理解を深める。 | 綿貫 恵美子 | 4/25(金)③ | 老年看護学研究室・対面授業 |
11 | フィールドワーク事前準備 | ・フィールドワークを行うことが決定した病棟・患者特性に応じて、高齢患者の情報収集・全体像把握に使用するツール、健康行動理論の適用方略について検討・討議する。 | 綿貫 恵美子 | 4/25(金)④ | 老年看護学研究室・対面授業 |
12~13 | アドヒアランス、エンパワーメントアプローチと、高齢患者への適用 | 以下の内容について理解する。 ・コンプライアンス・アドヒアランス・コンコーダンスとは ・エンパワーメント及びエンパワーメントアプローチとは ・慢性疾患・機能障害を抱える高齢患者にとってのアドヒアランス、エンパワーメントアプローチの適用とその利点 | 綿貫 恵美子 | 5/9(金)①② | 老年看護学研究室・対面授業 |
14 | 文献からみたアドヒアランス、エンパワーメントアプローチの老年看護への活用の実際 | ・高齢患者のアドヒアランス・コンコーダンス、及びエンパワーメントアプローチを扱った文献の抄読を通して、アドヒアランス・コンコーダンスの考え方やエンパワーメントアプローチを活用した慢性疾患・機能障害を有する高齢患者への看護の実際について理解する。 ・高齢患者の疾患・障害により生じた身体・心理・社会的変化や、加齢に伴う認知機能低下・患者心理を踏まえた療養管理行動への高度な看護実践において、アドヒアランス・コンコーダンスの考え方やエンパワーメントアプローチを活用する上での利点・問題点について討議し、理解を深める。 | 綿貫 恵美子 | 5/9(金)③ | 老年看護学研究室・対面授業 |
15~16 | フィールドワーク初日 (予定施設:北里大学病院内科病棟) | ・医療機関(特定機能病院)で慢性疾患を治療中の高齢患者1事例を受け持ち、患者及び医療記録から看護実践を考える上で必要な情報を収集する。 ・フィールドワークを進める中で、受け持ち高齢患者との関係構築を図る。 | 綿貫 恵美子 | 5/12(月)①② | |
17~18 | フィールドワーク2日目 | ・受け持ち高齢患者との継続的なかかわりを通して、引き続き対象理解・慢性疾患の療養管理行動への看護実践を考える上で必要な情報を収集する。 ・収集した情報とそのアセスメントに基づいて、対象の理解あるいは療養管理に活用できる健康行動理論について検討する。 | 綿貫 恵美子 | 5/13(火)①② | |
19~20 | フィールドワーク3日目 | ・受け持ち高齢患者との継続的なかかわりや、臨地指導者(老人専門看護師あるいは実習病棟の看護主任)によるかかわりの見学を通して、自らのアセスメントの妥当性を評価する。 ・検討中の健康行動理論を使用することの妥当性について、臨地指導者の助言を得ながら再度検討する。 | 綿貫 恵美子 | 5/14(水)①② | |
21~22 | フィールドワーク4日目 | ・理論の活用を図りながら、受け持ち高齢患者の今後の療養管理に向けて、現在の身体・心理・社会的側面に合わせた看護介入計画を立案する(本フィールドワークでは立案までとし、実際の介入は行わない)。 ・継続的なかかわりを通して、立案している介入の実施可能性と予想される効果について予測・評価する。 | 綿貫 恵美子 | 5/15(木)①② | |
23~24 | フィールドワーク最終日 | ・立案した内容の中間発表を行い、臨地指導者・担当教員と共に適用した理論の妥当性、アセスメントや立案した介入計画の適切性について討議する。 | 綿貫 恵美子 | 5/16(金)①② | |
25~26 | フィールドワーク記録の整理 | ・中間発表での討議をもとに、フィールドワーク記録に記載した自らのアセスメント・適用した健康行動理論を再考すると共に、適用理論・適用方法の再検討、理論に基づく患者の個別性を考慮した看護計画立案の修正を行う。 | 綿貫 恵美子 | 5/30(金)①② | 老年看護学研究室・対面授業 |
27~28 | 報告会に向けたプレゼンテーション資料の作成・検討 | ・記録の整理を続けると共に、フィールドワーク報告会に向け、フィールドワークの概要、適用理論、理論を活用した看護計画について、発表用資料を作成する。 | 綿貫 恵美子 | 5/30(金)③④ | 老年看護学研究室・対面授業 |
29~30 | フィールドワーク報告会 演習の総括 | ・フィールドワークで行った情報収集・分析プロセス、健康行動理論の適用内容について、発表・意見交換を行う。 ・演習全体を通して学習した内容の整理・まとめを行い、慢性疾患や機能障害を持ち慢性期にある高齢患者の療養管理行動への高度な看護実践とは何かについて説明する。 | 綿貫 恵美子 杉本 知子 シェザード樽塚 まち子 | 6/6(金)①② | 老年看護学研究室・対面授業 |
1.長期的な管理・療養を必要とする疾患・障害を抱えた高齢者における多面的な変化について講義・文献抄読を通して学び、障害を持ちながら新たな生活の構築・適応を必要とする高齢者へ看護について説明できるようになる。
2.さまざま健康行動理論について知り、慢性期にある高齢患者への理論の適用とそれに基づく高度な援助について説明できるようになる。
3.フィールドワーク・事例検討において、慢性期にある高齢患者に健康行動理論を実際に適用し看護過程を用いて看護を展開することで、老人看護専門看護師としての高度な実践能力に繋がる健康行動理論の臨床適用について修得できるようになる。
下記により総合的に評価する。
・各回の授業において、慢性期にある高齢者の特徴や健康行動理論に関する積極的・建設的な質問・意見交換がされ、課題に関する発表は文献の適切な理解に基づく論理的な内容であること(50%)
・フィールドワークにおける事例理解・看護介入立案が、当該領域の専門看護師・教育職から見ても妥当な内容であり、演習記録上の看護過程の展開において個別性・具体性がみられること(25%)
・フィールドワーク時の記録および事後の事例検討資料において、事例の状況に応じた健康行動理論の検討・適用がされており、それに基づく論理的な発表が行えていること(25%)
1 | 予習:初回の授業までに提示する、各項目の授業内容に関する国内外の文献を抄読の上、提示した課題について必要時資料を作成し、授業に臨む(必要な学習時間:各項目当たり3~4時間)。 復習:授業内で受けた発表・資料内容へのフィードバックを振り返り、事前準備の不足していた点・課題となる点を見直す(必要な学習時間:30分程度)。 |
2 | 履修に際しては、フィールドワークの全日程に出席できることを条件とする。フィールドワークに際しての注意事項は、「フィールドワーク事前準備」の回において指示する。 〔学位授与の方針と当該授業科目の関連〕 《修士課程(看護学研究コース)》 (1) 看護学研究者として専門分野および周辺領域の知識・技術を持ち、実現可能で専門分野あるいは社会において 意義のある研究課題を設定する能力 (2) 研究課題に適した研究デザインと研究方法を選択し、計画的かつ倫理的に実施する能力 (3) 研究結果を考察し、論文を執筆する能力 ○(4) 専門分野における研究の成果を看護実践の質向上に活用する能力 (5) 看護学を教育するための基本的能力と技能 《修士課程(高度実践看護学コース 専門看護師プログラム)》 ◎(1) 専門分野における卓越した看護実践能力 (2) 専門職者としての倫理的課題の解決能力、多職種と連携するための調整能力、コンサルテーション能力 (3) 専門分野の看護実践の中で、研究的手法を用いて課題解決する能力 (4) 専門分野における看護実践の質を向上させるための教育的役割を果たす能力 ◎は特に関連するもの、○は関連するもの |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 毎回の授業時に、授業内容に応じた資料(プリント)を配付する。 | ||
参考書 | (なし) |